安倍晋三首相が内閣官房の安全保障・危機管理担当として自衛隊高級幹部を初めて起用することが分かった。発令は22日付。北朝鮮や中国の動向を踏まえ、官邸の情報分析機能を強化し、迅速な危機対応につなげる狙いがある。政府関係者が9日、明らかにした。 起用されるのは長島純空将補(52)。これまで自衛隊から内閣官房への出向は「2佐」で、「将補」は初めて。北朝鮮が核・ミサイル開発をやめないほか、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国の領海侵入が相次いでおり、政府高官は「素早い分析に基づき指示を出したい首相の意向が強く働いた」と明らかにした。 長島氏は防衛大卒で85年に航空自衛隊に入隊。04年6月から07年7月までベルギーで駐在防衛官を務め、11年12月から情報本部情報官。