太田述正コラム#9457(2017.11.12) <石野裕子『物語 フィンランドの歴史』を読む(その6)/映画評論50:火花>(2018.2.25公開) 「1700年から21年まで続いた大北方戦争は、北欧の勢力図を変えた大きな戦争となった。 この戦争はバルト海の覇権をめぐって、領土を広げるスウェーデンに対抗してロシア、デンマーク、ノルウェー、ポーランド、ザクセンが協同して戦ったものである。・・・ 1713~14年には、フィンランドの大部分はロシア軍の占領下に置かれた。 このロシア占領時代、すなわち1713年から21年までの時代は、のちに「大いなる怒り」の時代と呼ばれる。 この時期、フィンランドではロシア兵による略奪、暴行、殺人が頻繁に起こり、スウェーデンに逃がれる者もいた。 その数は数千人とも言われ、主に貴族、牧師や裕福な商人らが逃亡したことで、フィンランドにおける統治機構が揺らいでいく。