中国は、「東シナ海防空識別圏」を新たに宣言することで2つの戦略的な手を打った。第1に米同盟国に直接挑戦したこと、第2に標準的な国際慣行とは相いれない一連のルールを意図的に設定したことだ。 米国は、アジア太平洋地域の同盟体制における北方の拠点を維持することを目指し、海洋(とその上空)の自由の保証人を自任するのであれば、協調し首尾一貫した戦略的な措置を自らも講じる必要がある。 当面の手段として、中国指導層に、新防空圏を存続させるなら日米同盟の能力を強化するほか選択肢はないと正式通告すべきだ。そのうえで宣告の裏付けとして、日米の空、海兵力で尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の合同哨戒を行わなければならない。2年に1度、20余のアジア・太平洋諸国が参加する2014年「リムパック(環太平洋合同演習)」への中国の招待も取り消すべきだ。 以上の短期的な措置は、以下に挙げるもっと長期の宣言的政策と行動で補強され