弁護士や大学教授などで作る民間のシンクタンクが、新型コロナウイルスをめぐる政府などの対応を調査・検証した報告書をまとめた。安倍晋三首相(当時)をはじめとする政治家や官僚、専門家など83人にヒアリングを行い、政策の決定過程や問題点を指摘、「予備役」制度の導入などの提言を盛り込んだ。史上初の緊急事態宣言発動に至る経緯も詳述。菅義偉官房長官(当時)が強い慎重論を唱えたものの、最終的に安倍首相が決断したことを明らかにしている。 報告書を取りまとめたのは、元朝日新聞社主筆の船橋洋一氏が理事長を務める一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブが設置した「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(以下「民間臨調」と略す)。民間の助成金を受け、プロボノとして参加した6人の弁護士を含む19人のメンバーが調査、インタビュー、執筆を行ったという。 私は10月7日の事前ブリーフィングに参加し、報告書全文を入手した。