記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。 #ネタバレ 映画の内容をほぼ書き起こしているので、復習にどうぞ。 ▼はじめに:本作の映画としての特徴として、主人公だけではなくて、その対極となる人物としてストローズの視点も加えていることが挙げられます。 この映画はカラーとモノクロの《二部構成》です。 カラーがオッペンハイマー(演キリアン・マーフィー)の裁判です。 モノクロがストローズ(演ロバート・ダウニー・Jr)の裁判です。 厳密な言葉の定義では裁判ではないのですが、便宜上ここではそう書きます。ある些細な行き違いを発端に関係が崩壊する二人の男を、カラーとモノクロを使い分けることで、明示的に別視点であることを示しています。これは黒澤明監督の『羅生門』の派生形であり、時制操作して同時進行で語るのはノーラン風味のアレンジだと言えます。