4年前に愛知県で開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、慰安婦の象徴として展示され、猛反発を浴びた「平和の少女像」を覚えているだろうか。企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれる一因となったこの作品。スペインの美術館に終の棲家を得た。その名も「禁じられたアート」美術館という。 この美術館は10月末、同国東部バルセロナにオープンした。政治的な抗議や攻撃を受けたり、検閲に引っ掛かったりして展示が取りやめになった「いわくつき作品」ばかり約200点を集めた私設美術館だ。所有者は、実業家でジャーナリストのタチョ・ベネット氏(66)氏。スポーツ放送局の経営で財を成し、2018年から「禁じられたアート」の収集を始めた。開館にあわせて、英紙に「これは『検閲アート』です。作品は芸術性より、過去の物語で選んだ」と述べた。 その言葉通り、どぎつい作品が並ぶ。スペイン前国王が動物と性行為に