営業マンのAさんは、40代のベテラン男性社員。中途入社してきた30代初めのB君の働き振りが気になっている。3カ月前に入社してきたばかりなのに、定時になるとそそくさと机の上をかたづけて帰宅してしまうからだ。 「違法行為だ」と反論されて 前の会社でも営業だったというB君の業績が上がらないのは、この会社の商品や市場、売り方のポイントについて理解が足りないからでは――。そう考えたAさんは、ある日、B君に声をかけた。 「まだ仕事に慣れてないと思うんだけど、今日の仕事が終わったら、少し話をしないか? 新しい商品の売り方とかについても相談したいし」 するとB君は、片付けをしながら顔をこちらに向けずに、こう答えたのだという。 「Aさん、それって残業代出るんですか?」 不意を突かれ、「いや、出ないけど、うちの商品や市場について知らなくて困ってるんじゃないかと思ってさ。俺にも残業つかないんだけど」と答えると、