映画監督は、自分の作品に込めた思いを熱く語るものだ。とはいえ、彼らは新作で何度もインタビューに答え続けるので、ありきたりの答えが返ってくることも多々ある。しかし、この人だけは違う。ギレルモ・デル・トロ監督である。これだけの巨匠になっていながら、以前とまったく変わらない誠実さで、ここまでインタビューに楽しそうに答える人は珍しい。心から映画監督としての仕事、そして自分の作品を愛していることが伝わってくるのだ。 ポップカルチャーと古典をつなげるのが僕の使命3月4日(現地時間)のアカデミー賞では作品賞ほか最多13部門でノミネートを果たした『シェイプ・オブ・ウォーター』。日本公開(3/1)を前に来日したギレルモに、世間のイメージで、たびたび「オタク監督」と称されることについて聞いてみた。 「オタク、オタクってみんな言うけど、オタクには2種類あると思うんだよね。ひとつは、ポップカルチャーが大好きで、そ