<最近中国ではやっているのが、「覇道総裁劇(ドラマ)」。中国人が好きな強権型リーダーが主人公のチープな恋愛劇あるいは復讐劇なのだが、このドラマの流行は実は建国の父・毛沢東と無縁ではない> 10年前の中国では、抗日神劇(抗日ドラマ)がとても人気があった。最近、中国のネット配信でそれを超える大ブームになっているのが、「覇道総裁劇」である。「 覇道総裁」とは、財力と権力と能力があり、強引に物事を決める経営者やリーダーを指す。覇道総裁劇は、こういった主人公と貧しい女性との恋愛物語、あるいはいじめや嫌がらせを受けた貧しい者がある日、突然人生が逆転し、覇道総裁に変身して復讐をかなえるといったストーリーが多い。 覇道総裁劇の流行は、中国人の憎しみの対象が日本から金持ちに変わったことを示す。毛沢東思想によれば、敵・味方の矛盾から人民内部の矛盾に転換したわけだが、同時に中国社会の現実を投影してもいる。 改革