『Patti Cake$』はヒップホップ映画であると同時に、ニュージャージーを舞台にしたブルース・スプリングスティーン映画でもあった(スプリングスティーンの「The Time That Never Was」がテーマ・ソング)。なぜなら監督自身がインタビューで認めているように、『闇に吠える街』こそがこの映画のインスピレーション元だから。そして、これはつまり音楽によるストーリーテリングという意味においては、ブルース・スプリングスティーンのそれとヒップホップ/ラップ・ミュージックのそれが非常に近しい関係にあることも示しているわけだ。