岸田文雄首相は14日の記者会見で、参院選の街頭演説中に銃撃を受け死去した安倍晋三元首相の葬儀について、秋に「国葬」として実施すると発表した。国葬を営むことを通じ「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」と強調した。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来で、極めて異例。費用は国の儀式として全額国費となる。野党からは「賛成の人ばかりではない」と懸念の声も上がった。 首相は「活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開くという気持ちを世界に示す」と訴えた。吉田氏の国葬は当時の佐藤栄作内閣の閣議決定による特例。官邸筋によると、安倍氏の国葬は、吉田氏と同じ東京・北の丸公園の日本武道館が有力だという。政府は近く内閣府に準備事務局を設置する。 国葬の理由を巡り、首相は①憲政史上最長の8年8カ月にわたり、厳しい内外情勢に直面するわが国のため、首相の重責を担った②外国首脳を含む国