ハリウッド映画のような派手さはないが、良質なアート系の映画を上映し、1980年代後半頃からブームを呼んだ「ミニシアター」。その後、シネコン(複合映画館)の出現や、消費者の嗜好の変化から苦境に立たされてきたが、足元では復活に向けた新たな動きが出始めている。 「ミニシアター」とは一般的に、1スクリーン当たりの座席数が200以下の小規模な劇場を指す。1980年代頃から、そこでしか見られない映画が話題となって、若者を中心に人気となった。中でも、一大ブームとなったのは90年代後半から2000年代初頭。それまでの洋画に加えて邦画でもアート系の作品が増えたことで、一気に人気が広がった。 ところが2000年頃、それまで郊外型だったシネコンが都市にも進出してきたことで状況は一変する。 特に象徴的だったのが、2003年に東京・六本木にオープンしたシネコン「TOHO シネマズ 六本木ヒルズ」。それまで、ミニシア