なんという美しい物語なんだろう。ガンダムにたどり着いたアムロが、その力でもってクルーを導く流れで涙を押しとどめることが出来なかった。生き抜く。生き抜こうとする意志。スポンサーのごり押しで設定されたガンダムの合体機構すらも取り込んで、なんとしても生き残るんだという強い意志が、時代の徒花として死ぬ運命にあったアムロを生かした。例え最初のプロットがどうであれ、ここでアムロが生き抜くのは作劇として圧倒的に正しい。その正しさに抗わずに身を任せたからこそ、ガンダムは時を越える名作になったのだろう。 ニュータイプの在り方をまことしやかに説くシャアに対し、それは理屈だと切り返すアムロ。ニュータイプの感応能力というのは、理屈ではない、体全体で感じるものなんだという示唆に溢れている。それは、例えば頭だけになって生き残ろうとするシャアのジオングと、頭を吹き飛ばされても体全体で生き残ろうとするガンダムという対比に