「東京23区」と聞いて、摩天楼、コンクリートジャングル、といったイメージを思い浮かべる人もきっと多いだろう。 しかしそんなイメージを完全に覆してくれる特殊地区が、23区最後の田舎地帯「練馬区」だ。 区民の足はかつて都心の屎尿を埼玉の農家へ運んでいた事もあり「黄金列車」とも言われる西武線。最近になってようやく地下鉄大江戸線が開通して、練馬区に広がる農地も次々宅地開発の波が訪れようとしている。 しかしこの練馬区の外れ、大泉学園町の一角に、今でも現役バリバリの「牧場」があるという話を聞きつけた。 そしてそれは23区に残る「最後の牧場」であるとも。 「23区で牧場がある」という事実はにわかには信じがたいものかも知れないが、それでも確かに牧場は実在するのだ。 23区に残る最後の牧場の最寄り駅、西武池袋線の大泉学園駅にやってきた。大正末期に「東大泉駅」として開業したものが、東京商科大学(現・一橋