DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、サイバーセキュリティーの脅威と隣り合わせにある。中外製薬は生成AI(人工知能)など「攻め」のデジタル施策と並行して、社内システムの監視体制強化やサプライチェーン全体のセキュリティー対策を進めている。 2030年に向けた全社のDX指針「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」に合わせ、セキュリティーについてもビジョンや戦略を「CHUGAI CYBER SECURITY VISION 2030」としてとりまとめた。「ヘルスケア産業のトップイノベーター達成を支えるサイバーセキュリティー先進企業になる」と掲げ、「組織運営」「人/文化」「技術」の3つの観点からセキュリティーの強化を進める。 まず取り組んだのが、ガバナンス体制の整備だ。DX関連施策の意思決定機関であるデジタル戦略委員会の分科会で四半期に1回、セキュリティーに関する方針を確