厚生労働省によれば、2013年度の医療費が前年度から8500億円増の40兆610億円になったという。 年齢別で見ると65歳以上の医療費が23兆円を超え、全体の6割程度を占めている。医療費上昇の原因について、厚労省は高齢者の増加などと分析しているが、抑制は可能だろうか。 感情一切なしの技術的な議論であれば、抑制は可能である。例えば、医療のコストパフォーマンスを医療費対延命効果で測り、一定以下の医療をやらないとすればいい。 かつて筆者が経済財政諮問会議特命室で討議資料を作成していたとき、ある大学病院の協力を得て、分野別医療費のコストパフォーマンスを測定したところ、「良い分野」と「悪い分野」に二極分化しており、関係者が驚いたことがある。悪い分野は、終末期医療に多いが、わかっているけどやめられないというモノが多い。 例えば、人工栄養摂取が例としてよくあげられる。これには、経鼻栄養(鼻から管をいれて