医療法人「徳洲会」グループ関連会社の資金を着服したとして業務上横領容疑で警視庁に逮捕された元事務総長、能宗克行容疑者(57)はかつて、徳田虎雄前理事長(75)の側近として病院経営や選挙を取り仕切ってきた。「金庫番」として資金管理も一手に担い関係者は「徳洲会の表も裏も知り尽くしていた」と話すが、グループの運営をめぐって徳田家と対立。今年2月に懲戒解雇された。 能宗容疑者は大学を卒業後、徳洲会に入り虎雄氏の運転手兼秘書を務めるように。「信号無視やスピード違反は当たり前。何でもやった」(能宗容疑者)。猪突猛進な虎雄氏の指示にも忠実に従い、信頼を獲得。懐刀として重用された。 選挙では、虎雄氏が代表として出馬した自由連合時代から毎回数億円に及ぶ資金を調達。全国の病院から職員を動員する仕組みも築き上げた。「医療や徳洲会のことを真剣に考え組織を支えてきた」。関係者の間では仕事ぶりを評価する声がある一方「