怖い話と男女に関するonboumaruのブックマーク (4)

  • 変成男子と男やもめ | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 江州は枝村ト申す、東山道の宿場町に。 ある日、一人の美僧が現れまして。 一軒の宿屋の戸を叩きましたが。 年は二十歳ばかりにして。 見目形は尼僧かと見紛うほどで。 そのくせ、声や立ち居振る舞いは。 やはり男でございます。 その晩は大雨が降りまして。 翌日もまだ晴れません。 それ故に、この若い僧は。 昼間も居続けとなりましたが。 夜が明けてよりこの方。 この美僧の様子がどうもおかしい。 姿形はもとより優美ではございましたが。 居住まいから声音まで、すっかり女らしくなっている。 宿の亭主は、何やら怪しく思いまして。 「御坊はどちらよりお出でですかな」 ト、それとなく声をかけてみた。 「わたくしは越後の者でございますが、丹波の大野原の師匠の元にて数年修行を積みまして、これからまた越後へ戻るところでございます」 美僧は伏し目がちにそう答えました。 亭主は、丹波の事情はよく知り

    変成男子と男やもめ | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
  • 妲己のお百(二)桑名屋乗っ取り | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 これから幾回かに分けまして。 「妲己のお百(だっきのおひゃく)」の悪行譚をお話しいたしますが。 今回、お百はまだ出... (大坂の廻船問屋、桑名屋。先代が斬った海坊主の怨霊が、十数年の時を経て甦る) 大坂に雑魚場(ざこば)ト申す、生魚の市場がございまして。 問屋は軒を連ねており、仲買人も溢れんばかりの賑わいで。 江戸で申せば、まず日橋魚河岸といったような土地でございます。 この雑魚場の外れに、新助と申す棒手振りの魚屋がございました。 棒手振りを生業トする者は、お得意先がなければなりません。 たらいに生魚を載せて、天秤棒で担ぎますので。 あてどなく歩いていては、あっという間に魚が腐ってしまいます。 ところがこの新助には、お得意というものがまだございません。 その日も、取り敢えず腐らぬうちに売りさばこうト。 あっちへこっちへ、盤台を担いで走り回っておりましたが。 ちょ

    妲己のお百(二)桑名屋乗っ取り | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2016/09/07
    講談「妲己のお百」より
  • 大岡政談 白子屋お熊 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 享保の頃。 日橋新材木町に軒を連ねる材木問屋のうちの一軒に。 白子屋という大店がございました。 この店に、江戸中で評判の美人がおりましたが。 それが、名をお熊ト申す、一家の一人娘でございます。 年はこの時、二十三でございました。 大店の一人娘で、かつ大層な美人ときておりますから。 誰が白子屋の富とお熊の美貌を一手に収めるのか。 つまり、誰が白子屋の婿養子に収まるのかト。 そんな話題が、長らく江戸中を賑わせておりました。 それが、五年前、お熊十八の年に決着がつきまして。 白子屋の婿として迎えられたのは、又四郎ト申す地味な四十男でございます。 さて、この白子屋の身代が大きく傾いたことがございましたが。 それがほかでもなく、又四郎が婿入りする前後のことでございました。 お熊にはまるで姉妹のようだと評される母親がおりました。 名をお常ト申し、年は四十を過ぎておりますが。

    大岡政談 白子屋お熊 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2016/07/27
    「大岡仁政録」より
  • 座敷牢と狂女 お夏清十郎 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 播州姫路の城下に但馬屋ト申す大店がございました。 主人は九右衛門ト申しまして、妹が一人ございます。 名をお夏ト申しましたが、これが大層評判の美人でございました。 当時、京の島原に、揚羽蝶の紋入りの着物を着た評判の遊女がございましたが。 お夏の評判はそれをも凌いでいたと申しますから、美人の程が伺えます。 鄙には稀というどころではなく、遠く京でも噂になるほどでございました。 さて、この但馬屋に清十郎ト申す手代がおりました。 真面目で律儀一徹の男ではございましたが。 これがまた稀代の色男でございまして。 店中の女奉公人が、こぞって熱を上げている。 実は、この清十郎、元を正せば室津の造り酒屋の若旦那でございます。 美男なのをいいことに、早くから放蕩三昧を尽くしまして。 親から勘当された挙句、遊女と心中騒ぎを起こしましたが。 自分一人が助けられ、相手の女を死なせてしまったトい

    座敷牢と狂女 お夏清十郎 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2016/07/10
    井原西鶴「好色五人女」より
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