妖怪に関するonboumaruのブックマーク (6)

  • 業平と芥川の人喰い倉 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 在原業平(ありわらのなりひら)ト申しますト。 ご承知の通り、色男の総元締めみたいな嫌な奴で。 生まれは高貴にして、容姿は眉目秀麗であるばかりか。 美女に目がなく、狙った獲物は必ず手に入れるトいう。 天照大神に仕える伊勢斎宮でさえも。 神前にて潔斎中の身でありながら。 コロッと落ちてしまったトカ申します。 なんとも罰当たりな男でございますナ。 さて、この色男の業平にも。 肝をつぶす出来事がございまして。 ようやく我々も溜飲を下げられる。 これこそバチがあたったのだトモ申せます。 なにせ、このときモノにしようとした相手と申しますのが。 伊勢斎宮に勝るとも劣らぬお方でございまして――。 あるとき、右近の中将在原業平朝臣は。 ある人の娘が絶世の美女であると耳にした。 そうなるト、居ても立ってもいられないのが色男。 さっそく、あれやこれやト言い寄り

    業平と芥川の人喰い倉 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2019/06/20
    伊勢物語、今昔物語集より
  • 中国の怖い話より 「画皮 美女の化けの皮」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 清国の話でございます。 太原に王某ト申す士大夫がおりまして。 朝の散歩に出ておりましたが。 まだ霧深い森の中。 その靄へ吸い込まれてゆくが如く。 女がひとり歩いているのが見えました。 小さな体に大きな包みを抱えている。 まるで旅でもしているかのような格好で。 王は不審に思い、後を追う。 「もし、お嬢さん」 ト、声を掛けましたが。 女は振り返りもしない。 黙って歩いていくばかり。 王はますます不審に思い。 歩みを早めて追いつきますト。 並んで歩きながら、女を見た。 見れば、顔つきはまだ幼げで。 年の頃は十六、七でございましょう。 みずみずしい若さの中に。 凛とした美しさがございます。 「こんな朝早くにひとりでどこへ行くのです」 娘は伏し目がちな憂い顔を。 さらに深く沈ませまして。 「所詮は互いに行きずりの仲。憂愁を分かちあえるものではございません」 ト、顔立ちに似合わ

    中国の怖い話より 「画皮 美女の化けの皮」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
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    onboumaru 2018/11/24
    清代の伝奇小説「聊斎志異」より
  • 江戸怪談より 「金弥と銀弥」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 さる国の城の奥御殿に。 侍女が二人おりまして。 名を金弥(きんや)に銀弥(ぎんや)ト申しましたが。 容姿は世にも愛らしく。 仲はト言えば睦まじく。 起き伏し常にともにあり。 いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)で。 「銀弥さん」 「はい、金弥さん」 ふっくらト白いもち肌に。 緑の髪を肩まで下げ。 紅い唇をすぼませながら。 「お花が咲いておりますねえ」 「当。きれいに咲いておりますねえ」 ナドト微笑み合う様は。 まるでメジロの姉妹のようで。 十六の娘盛りではございますが。 あどけなさはほんの童女のよう。 二人の零れんばかりの愛嬌に。 主君も深く慈しんでおりましたが。 ある時のことでございます。 金弥がふとした風邪心地から。 ひどく患いつきまして。 遠く離れた父母の家に。 しばし里帰りトなりました。 ところが、それから待てど暮らせど。 一向に金弥の消息がございませ

    江戸怪談より 「金弥と銀弥」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
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    onboumaru 2018/03/25
    鈴木桃野「反古のうらがき」より
  • 廃寺の五妖怪 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 昔、智行兼備の僧がおりまして。 諸国をさすらっておりましたが。 ある国にやってまいりますト。 妙な噂が耳に入った。 かつては荘厳だった名のある寺が。 今では住持の僧が住み着かなくなってしまい。 庭には草がぼうぼう生い茂り。 床には蜘蛛が這い回っているという。 仏道者として、これは聞き捨てならじト。 土地の在家を訪れまして。 詳しく様子を尋ねてみますト。 「そのことでございます」 ト、檀家が僧の方へ身を乗り出す。 「これまでに御坊様が何人かおいでにはなりました。いずれの方も初めこそ、案ずることはない、任せられよ、と頼もしいことをおっしゃるのです。ところが――」 そこでひとつ言葉を呑んだ。 「ところが――」 「はい。ところが、夜になっていざ寺に入られますと、明くる朝にはきっと姿を消しているのでございます」 「ほう」 ト、僧も頷いた。 「我々といたしましても、悲しいやら申

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    onboumaru 2017/01/26
    「宿直草」より
  • 河童駒引 五郎兵衛と河童徳利 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 相州のとある川の畔に、五郎兵衛ト申す馬方が住んでおりました。 五郎兵衛は真面目で几帳面な男でございまして。 馬もその気質をよく知ってか、聞き分け良く働きます。 五郎兵衛は馬を非常に大事にする。 馬も五郎兵衛に心から懐いている。 この馬は、人間なら十六の娘といったところの牝馬で。 名前は赤(あか)ト申します。 五郎兵衛と赤は、まるで夫婦のように。 互いに息の合った、良い相棒でございました。 ある日のこと。 五郎兵衛は川の浅瀬で、赤を洗ってやっておりました。 「今日は天気も良かったし、おまえもよく働いたから、汗びっしょりになってしまったなあ」 ナドと言いながら。 自分も汗びっしょりになって、馬を磨いております。 赤も気持ちよさそうに、五郎兵衛に身を委ねている。 ト――。 淵の水の中をスーッ、スーッと。 何者かが行ったり来たりするのが見えました。 背丈からするト、人間のよ

    河童駒引 五郎兵衛と河童徳利 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
  • 妲己のお百(一)海坊主斬り | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    そも、妲己のお百とは何者かト申しますト。 殷王朝最後の王たる、紂王(ちゅうおう)の治世に。 妲己ト申す絶世の美女がございましたが。 これは同時に稀代の悪女でもございました。 唐土(もろこし)の三代悪女のひとりに数えられているほどでございまして。 俗に「酒池肉林」なる言葉がございますが。 これは、この女の贅沢三昧を揶揄して生まれたものでございます。 その妲己をも凌ぐ悪女であるということから。 不名誉にもその名を冠せられましたのが。 我が日のにおける毒婦の総裁、悪女の元締め。 妲己のお百ト申す、実にけしからぬ女でございます。 ご承知の通り、出羽秋田藩は、佐竹侯の御領地でございますが。 そのお抱えの御用船頭に、桑名徳蔵ト申す者がございました。 御用船の雷電丸に、領主佐竹家の米を積み込みまして。 大坂中之島の佐竹家蔵屋敷へ運びこむのが役目でございます。 ある年の十月十日に、徳蔵はお預かりした米を

    妲己のお百(一)海坊主斬り | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2016/08/17
    講談「秋田騒動 妲己のお百」より
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