2016年9月26日のブックマーク (1件)

  • 沢の怨霊の片棒を担ぐ | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 唐の国の話でございます。 昔、張禹ト申す勇猛な武将がございまして。 旅の途中で、大きな沢のほとりを通りかかりましたが。 一天にわかにかき曇りまして。 昼間というのに辺りは夜のように暗くなる。 今にも大雨が降り出しそうな、重苦しい空模様で。 沢の向こうに大きな屋敷が聳えている。 張禹はそれに気が付きますト。 濡れ鼠になっては面倒だト。 降り出す前に、門へト駆け込んでいきました。 屋敷の門はちょうど開かれておりましたが。 張禹が駆け込んでくるのを見て、下女が驚いて用件を問う。 「軒先で構わぬ。雨宿りをさせてもらいたい」 大男が実直そうにそう申しますので。 下女はとりあえず主人に取り次ぎに行きました。 しばらくして戻ってきた下女は、一転、にこやかな笑みをたたえている。 「どうぞ、軒先とおっしゃらずに中へお入りくださいとのことでございます」 ト、張禹を案内していきました。

    沢の怨霊の片棒を担ぐ | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2016/09/26
    六朝期の志怪小説「雑鬼神志怪」より