名古屋「正論」懇話会で講演する伊藤元重・東大大学院教授 =10日午後、名古屋市・名鉄グランドホテル(撮影・白鳥恵) 名古屋「正論」懇話会の第2回講演会が10日、名古屋市の名鉄グランドホテルで開かれ、東大大学院教授の伊藤元重氏が「内外の経済動向と日本の活路」と題して講演、「景気を良くするため消費税を増税すべきだ」と訴えた。 伊藤氏は、医療、教育、介護、育児サービスを充実させ、国民の安心を実現するとともに、新たな雇用を創出する必要があると強調。消費税率5%では財源不足で「2年後から税率を段階的に上げていくべきだ。(引き上げ前の)駆け込み需要による内需拡大も期待でき、国の借金を増やさずに社会保障原資を確保できる」と力説した。 また、「これまでがあまりに円安だった。現在の為替レートは円高とはいえない」と指摘。今後、製造業の再編は必至で、国内雇用は2~3割減る可能性があるとの見通しも示した。