オバマ政権の強烈なリーダーシップの下、アメリカが産官学をあげて、次世代電池などエコカー技術の開発を加速させている。侮りは禁物だ。産官学一体のイノベーション力とリスクマネーの供給力に優れるアメリカは、イソップ寓話にたとえるならば、「カメ」、企業の個力頼みの「ウサギ」の日本を追い抜く可能性もある。このアメリカの動きに強い危機感を持っているのが、経産省所管の独立行政法人NEDOだ。同機構のキーパーソンへのインタビューを核に、アメリカの戦略を検証し、日本の取るべき道を探った。(ジャーナリスト 桃田健史) 2009年5月19日、ホワイトハウスで自動車燃費規制改正法を発表したオバマ米大統領。2007年にブッシュ政権が打ち出した、2020年までに乗用車とLight Truck(ピックアップトラックとSUV)の平均燃費を35.5MPG(約15km/リッター)にするとの目標を、2016年に4年前倒しで実施