周りの喧騒から、その飄々とした風情はひとりどこか白く浮き上がっているようで、それが目に留まったのです。 今週も、よく働きましたか。 つい話しかけたくなりました。 さすがに声には出しません。気味悪がられますからね。だから頭の中で続けます。きっと毎日頑張ったんですよね、と。 入線してきた目的地へ向かう電車に乗っても、私はその人のことを考えていました。 どんな仕事をしているのだろう。今週は順調な週だったのでしょうか。仕事でストレス、あるのでしょうか。 あるでしょうね、それは。あんまり無理して頑張りすぎませんように。 帰る家は遠いのでしょうか。中央線のホームにいましたね。中野? 小金井? 立川? 明日あさって、ゆっくり休むことはできるんですか。 暗い窓に映るくたびれた自分の顔を見て、お疲れ様ですと言いたかったな、と少し思いました。 それからまた窓を見て思いました。 通りすがりの男性に対してさえもこ