『選挙』『精神』などの「観察映画シリーズ」で知られる映画作家、 想田和弘さんによるコラム連載です。 ニューヨーク在住の想田さんが日々「観察」する、 社会のこと、日本のこと、そして映画や芸術のこと…。 月1回の連載でお届けします。 第48回 「慰安婦像問題」でバレてしまった安倍政権の本音 2015年12月の「日韓合意」で「最終的かつ不可逆的に解決」されたはずの、いわゆる「慰安婦問題」が再燃している。韓国の市民団体が、釜山日本領事館の前に「慰安婦像」を設置したからである。 像は、いったんは釜山市によって撤去されたものの、稲田朋美防衛大臣による靖国参拝への不満の高まりもあり、市のホームページがパンクするほど韓国世論が猛抗議。市は一転、設置を容認せざるをえなくなった。そもそも「日韓合意」は韓国では不人気だったようだが、その不満が一気に燃え盛ったといえるだろう。 この事態に対して、安倍政権は信じられ