女だけで飲んでいるときに、ふとした流れで、子どもの頃や思春期に体験した性的に嫌な思い出話になることがある。 中高校時代の通学時の痴漢体験がごく当たり前のように、あるいは小学生の頃や、もっと幼く記憶もおぼろげな幼少期の体験などが、次々と女たちの口から吐露される。 世の男性が想像しているその何十、いや何百倍も(もっと多いかもしれない)、性的に不快な出来事を経て大人になっている女は多い。 そしてそれは、二十歳を過ぎてなお、続いている場合も少なくない。 2017年10月にジャーナリストの伊藤詩織さんが上梓された『Black Box(ブラックボックス)』にまつわる反響の大きさは、あえてここでは詳しくは触れないが、少しネット検索しただけでも、彼女の身に起きたレイプ体験と、それに対して彼女がどう行動したのかを知ることができるだろう。 同時に、彼女に対するひどいバッシングも目にするかもしれない。 伊藤詩織