日本医師会の中川俊男会長は19日、自民党本部での会合で、政府の旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業について「国が推進することで国民が完全に緩んでいる」との認識を示した。 同日朝に開かれた自民党の「新型コロナウイルス感染症対策本部」(本部長・下村博文政調会長)の会合で言及した。中川氏は18日の記者会見でも、GoToトラベルが新型コロナの…
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日本学術会議の新会員候補6人を任命拒否した菅政権。独立性の高い行政機関に人事権が委ねられていた慣例を、官邸主導に転換させる手法は安倍政権から継承されていた。強引とも言える官邸主導人事の狙いはどこにあり、弊害はないのか。【青木純、竹地広憲、立野将弘】 前政権「複数人示せ」 2012年12月の第2次安倍政権発足以降、退官する最高裁判事らの後任人事で、首相官邸への説明方法が変わった。「なんで1人しか持ってこないのか。2人持ってくるように」。官邸事務方トップの杉田和博官房副長官が、最高裁の人事担当者に求めた。 最高裁は以降、2人の後任候補を官邸へ事前に届けるようになった。2人のうち片方に丸印が付いていたのは、最高裁として優先順位を伝える意図があった。しかし、当時の官房長官、菅義偉首相は突き返した。「これ(丸印の方)を選べと言っているのか。今までの内閣がなぜこんなことを許してきたのか分からない」
衆参の予算委員会は6日、計4日間の日程を終えた。野党は菅義偉首相との初の本格的な国会論戦に、日本学術会議の任命拒否問題を主要テーマに据えて挑んだが、首相は質問が核心に迫ると「人事に関することなのでお答えは差し控える」を連発。新たな答弁には矛盾もあり、「なぜ6人が外されたか」の理由は示されぬままで、野党は「支離滅裂」と批判を強めた。 論戦で「いつ誰が決めたか」の概要は判明した。首相は、官房長官当時から会員選出が限定的なメンバーで行われており「閉鎖的で既得権益になっている」との懸念を持っていたと強調。首相就任後、改めて杉田和博官房副長官らに「懸念」を伝えた。その後「9月22日か23日ぐらい」(首相)に杉田氏から6人を外すと報告があり「私が判断した」と述べた。 ただ、首相は6人の名前を以前から知っていたかを問われると「(東大教授の)加藤陽子先生以外の方は承知していなかった」と答弁。加藤氏以外の5
毎日新聞と社会調査研究センターは7日、全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は57%で、内閣発足直後の9月17日に行った前回調査の64%から7ポイント下落した。不支持率は36%(前回27%)だった。 日本学術会議の新しい会員として推薦された6人の任命を菅義偉首相が拒否したことについて、「問題だ」と答えた人は37%で、「問題だとは思わない」は44%、「どちらとも言えない」は18%だった。「問題だ」と答えた人の8割近くが、菅内閣を「支持しない」と答えており、任命拒否問題が支持率低下の一因となったようだ。首相は任命拒否の理由を明らかにしていない。ただ、支持率の下落は7ポイントにとどまっており、この問題への批判は広がりを欠く面もあるようだ。 菅政権が学術会議のあり方について見直しを検討していることについては、「適切だ」が58%で、「適切ではない」の24%を上回った。「わからない」は18%だった。野
日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。
日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。
弥富市議会が入る市庁舎。市議会はオンブズマン活動をしている市議への辞職勧告を決議した=2020年2月28日午前、川瀬慎一朗撮影 愛知県の弥富市議会が、市民オンブズマン活動をしている男性議員に対し、「地方議会は地方行政の一翼を担っている。議員がオンブズマン活動を行うことは本来の趣旨に合致しない」とし、議員辞職勧告を賛成多数で決議した。全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)事務局長の新海聡弁護士は「活動に誤解を生じさせ、市民オンブズマンへの名誉毀損(きそん)だ」として撤回を求めていく。 辞職勧告されたのは、無所属の加藤明由議員。今年2月に初当選する前からオンブズマン活動を続け、市の新庁舎建設で移転補償や土地購入費が高すぎるとして、市に損害賠償を求める住民訴訟を起こしていた。
日本学術会議について、「学術会議がレジ袋の有料化を提唱した」という内容のツイートが拡散している。ツイッターで「いいね」が数千件付いたほか、動画サイトでも紹介され、数十万回視聴されたものもある。学術会議の元会長が新聞への寄稿でレジ袋有料化に関連して「(学術会議の提唱が)きっかけの一つ」と発言したことが根拠になっているが、学術会議が過去に提言したのはプラスチックごみ全体の削減であって、レジ袋有料化について提唱や意見表明をした事実はない。ツイートは、不正確だ。【大野友嘉子/統合デジタル取材センター】 「バカ政策」「ズレてるな」 問題のツイートは74万人の登録者を抱える人気ユーチューバーの「KAZUYA」氏が8日、投稿した。日本学術会議元会長の大西隆・東京大名誉教授が東京新聞に寄稿した記事について、<レジ袋有料化の提唱を誇るってズレてるなw やっぱり日本学術会議はいらないんじゃないか?>とツイート
中曽根康弘元首相の合同葬に合わせ、政府が全国の国立大など教育現場に弔旗の掲揚や黙とうで弔意の表明を求めていることが明らかになった。日本学術会議問題に続き、新たな「政治介入」とも取れる政府の動きに各地の教育関係者からは批判や疑問の声が相次いだ。 大阪大の男性教授は「思想統制のようで、単純に気味が悪い。国葬でもないのに、『国立』と名の付く組織に勤務しているだけで従う義理はない。何か勘違いされているのではないか」と不快感を隠さなかった。菅義偉首相が学術会議から推薦された新会員候補を任命しなかった問題にも触れ、「国から金をもらっているところは全て政府や自民党に従えということか」と疑問を呈した。 北海道大の50代の男性教授も「政府の対応は明らかにやり過ぎで国民目線からずれている」と批判。「中曽根元総理は日本にとって大きな存在だったかもしれないが、個人がそれぞれ弔意を示せばよい。政治家が指示したとして
学校法人「森友学園」が小学校の建設を計画していた国有地=大阪府豊中市で2020年2月18日、本社ヘリから 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の文書改ざん問題で、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さん(49)が2019年3月、赤木さんの元上司と面会した際の詳細なやりとりが、雅子さん側が大阪地裁に提出した録音データの記録で判明した。同省理財局長だった佐川宣寿氏について、元上司は「(改ざんは)佐川さんの判断」と断言。国有地を売却する際、約8億円を値引きした点については「8億の算出に問題がある」などと明かしていた。 元上司は、財務局の統括国有財産管理官として国有地売却を担当していたが、一連の裁判手続きのなかで詳しい発言が明らかになるのは初めて。雅子さんは国と佐川氏に計約1億1000万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしており、14日午後に第2回の口頭弁論が開
聖マリアンナ医科大がホームページで公表した9月28日付の見解。「『一律の差別的取扱い』の事実はなかったものと判断しております」としている=牧野宏美撮影 女性であることを理由に入試で差別的扱いをされ精神的苦痛を受けたとして、聖マリアンナ医科大(川崎市)を受験した女性4人が14日、同大に慰謝料などを求めて東京地裁に提訴する。文部科学省は計10大学に対して男女差別などがあったと指摘しているが、同大のみが認めておらず、さらに客観的証拠を基に不正を認定した第三者委員会の調査結果が出た後も追加合格などの措置をとっていない。同様の訴訟は東京医科大や順天堂大に対しても提起されているが、被害弁護団は今回、聖マリ医大の姿勢が悪質として、慰謝料の請求額を増やす方針だ。医学部を目指し、約6年間浪人を続けている原告の一人が毎日新聞の取材に応じ、「差別があった事実を認めてほしい」と憤りを語った。【牧野宏美/統合デジタ
日本学術会議から推薦された新会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題を巡って、杉田和博官房副長官が事前の任命拒否の判断に関与していた。政府関係者が12日、明らかにした。 杉田氏は、学術会議が政府に提出した105人の推薦者名簿の中から6人を除外して、99人の名簿にする取りまとめに関わっていた。杉田氏はこうした経緯について、首相に報告していた。首相が6人を除外する事前の判断に関与していたかはわかっていない。 これに関連して、加藤勝信官房長官は12日の記者会見で、首相が「見ていない」と述べた105人の推薦者名簿が決裁文書に参考資料として添付されていたことを明らかにした。
日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。
日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、2018年の補充人事でも、学術会議が事前報告した候補者に官邸側が難色を示していたことが関係者への取材で判明した。官邸は理由を明かさず、学術会議は当時の山極寿一会長が直接、候補選出の根拠を説明したいと約1年にわたって再三申し入れたが、拒まれ続けたという。最終的に補充を見送った。 16年の補充人事でも、官邸が学術会議に事前報告を求め2ポストの差し替えを要求したため、学術会議は補充を断念していた。 学術会議関係者によると、会員が70歳の定年を迎えた人文・社会科学系の1ポストを補充するため、18年夏から推薦候補の選考を始めた。選考委員会では「正式に推薦が決まるまで報告すべきでない」という意見も出たが、18年10月の学術会議の総会を前に、推薦予定の第1候補に加え、第2候補も官邸に伝えた。 ところが、官邸は第1候補について理由を説明
菅義偉首相が日本学術会議の一部新会員の任命を拒否した問題を、海外の科学誌や主要紙などが批判的に報じている。「学問の自由」の侵害として脅威視する見方が目立つ。世界各国で発生している事例の最新ケースとして注目を集め、日本の国内問題にとどまらなくなっているようだ。主要な報道を紹介する。【和田浩明/統合デジタル取材センター】 英ネイチャー ブラジルやインドの例とともに紹介 英科学誌ネイチャー(電子版)は6日付の「ネイチャー誌が政治を今まで以上に扱う必要がある理由」と題した社説で言及した。 まず、トランプ米大統領による科学軽視などに触れ、世界の政治情勢に関する記事を増やす考えを表明。その上で、「脅威に直面する学術的自律」との小見出しが付いた一節の中で、学問の自由を保護するという原則を「政治家が押し返そうとしているとの兆候がある」と強い懸念を示した。この原則は「近代の科学の核を成すもので、数世紀にわた
日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、2011~17年に学術会議会長を務めた大西隆・東京大名誉教授(72)=都市工学=は7日、毎日新聞のインタビューに応じ、16年の補充人事から首相官邸による「人事介入」が始まったと証言した。この時から官邸側の求めに応じて、会員の補充や改選に伴い推薦する候補者名を事前に説明するようになったという。 官房副長官が多めの候補者報告を要求 学術会議の会員任命を巡っては、16年の補充人事で学術会議が推薦候補として事前報告した2ポストの差し替えを官邸が要求。会員の半数の105人を改選した17年にも、学術会議の改選数を上回る候補者名簿を官邸に事前に提出したことが明らかになっている。6人が任命されなかった20年の改選では、候補者を事前報告しなかったとされる。 大西氏によると、16年…
日本学術会議の任命拒否問題に絡み、フジテレビの5日昼の情報番組「バイキングMORE」で、平井文夫上席解説委員が「会員OBは日本学士院会員になり、死ぬまで250万円の年金をもらえる。そういうルールになっている」と発言し、インターネット上で拡散された。同様の発言をする与党議員もいたが、日本学士院などに確認すると、日本学術会議OBが学士院会員になるというルールはなく、発言は誤りだった。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 「税金でやっているのは日本だけ」発言も 平井氏は、日本学術会議のように、公金で運営している学術団体は「欧米は全部民間。日本だけが税金でやっている」と発言したうえで、さらにこう続けた。 「民営化して、自分たちで会費を払って、提言すればいいんじゃないですか。だってこの人たち6年、ここで働いたら、その後、学士院というところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ。死ぬまで。みな
日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。
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