学校法人の土地取引を巡って業務上横領罪に問われ、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市中央区)の山岸忍前社長(60)が、大阪地検特捜部の捜査で精神的苦痛を受けたとして国に損害賠償を求めた訴訟で、山岸氏側は当時の担当検事ら4人の証人尋問を大阪地裁に申請した。10月26日付。 申請の対象は、山岸氏やその元部下らを取り調べた検事3人と主任検事。山岸氏の代理人弁護士は「冤罪(えんざい)が起きた仕組みや組織的な関与の有無を明らかにするために尋問は必要だ」と強調した。地裁が今後、尋問の可否を決める。 山岸氏を無罪とした刑事裁判では、元部下が検事から威圧的な取り調べを受けたとして、その供述の信用性が否定されている。地裁は9月、元部下の取り調べの録音・録画データを提出するよう国に命じたが、国側がこれを不服として大阪高裁に即時抗告している。【鈴木拓也】