曽我部恵一がニューアルバム「超越的漫画」をリリースした。ソロ名義では約2年半ぶりとなるこの作品で、曽我部は自身の思いや日常生活を赤裸々に描き出している。ある種、身も蓋もないほどストレートなこの問題作はどのようにして作られたのか。じっくりと話を聞いた。 取材・文 / 大山卓也 撮影 / 佐藤類 ──これはちょっとした問題作ですよね。「なにげない日常を歌にしました」みたいなことを言う人はよくいるけど、ここまでやってる作品は初めてです。 リアルでしょ(笑)。 ──すごくリアルに「自分自身をそのまま出した」という印象を受けました。 うん、まさにそんな感じだと思う。自分を出せた。なんでもない日常を歌おうとしてもさ、まあ普通は脚色しちゃうじゃない。で、脚色の果てに最初のものとは関係ないものになってたりとか。そういうことをせずに出せたなって。 ──だからある意味“歌っぽく”なくて日記に近い。 うん、最初