(英エコノミスト誌 2013年3月23日号) キプロスの救済が難しいことは初めから分かっていた。だが、こんなことにはならなくて済んだはずだ。 キプロスの首都ニコシアの議会前で、ニコス・アナスタシアディス大統領とアンゲラ・メルケル独首相を風刺した横断幕を掲げ、欧州連合(EU)による金融支援条件に抗議する人々〔AFPBB News〕 欧州の政策立案の基準から言っても、この1週間余りは最悪だった。 キプロスが最初に金融支援を要請してから9カ月が経った3月16日未明、ドイツを筆頭とするユーロ圏の財務相は、本来必要な170億ユーロには遠く及ばない100億ユーロの救済策を提示した。 誰が誰に対して具体的に何をするよう命じたのかは明らかになっていないが、その後キプロスは、預金者に対する課税により、さらに58億ユーロを確保すると発表した。 税率は、保険による保護額の上限である10万ユーロを超える預金に対し