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ブックマーク / shavetail2.hateblo.jp (98)

  • 3つの信用創造の仕訳(しわけ) - シェイブテイル日記2

    先日、信用創造には3つあるという記事を書きました(ここ)。 今回はそれらの信用創造の仕訳(しわけ)について詳しくみていきたいと思います。 1.市中銀行の信用創造(マネーストック) 図表1 民間銀行の信用創造 まず市中銀行での信用創造です(図表1)。*1  私達家計や企業が銀行から借り入れをしたとすると、銀行はなにもないところから(1行目)、貸し出した金額に見合いの預金を我々の口座に振り込みます。 この時銀行はそのお金をどこからか借りてきたりすることなく、単にキーボードで金額を打ち込めば預金通貨(マネーストック、MS)が生まれます。これが民間銀行の信用創造の仕組みです。 こうして信用創造で生まれたお金は、銀行員のペン先から預金が生まれているので「万年筆マネー」ともよばれます。誰かが負債を負えば金融資産が生まれる、逆に誰かが負債を返済すれば同額の金融資産が消滅するという関係になっています。 ち

    3つの信用創造の仕訳(しわけ) - シェイブテイル日記2
    ookitasaburou
    ookitasaburou 2019/05/01
    “先日、信用創造には3つあるという記事を書きました(ここ)。”
  • MMT(現代貨幣理論)を知るために必要なたったふたつのこと - シェイブテイル日記2

    最近、急速にMMT(現代貨幣理論、あるいは現代金融理論)に注目が集まっています。 ただ内容をみると、肯定論がひとつに対して否定論がいつつ、といった具合でMMTの有用な主張が十分伝わっていないように思います。 そこで今回はMMTを知るために必要なことをお伝えしたいと思います。 それは現実の貨幣・信用創造の仕組みと、貨幣市場の枠組みの2点、これだけです。 なぜMMTを知るためにこの2点が必要かといえば、現在の経済学(主流派とよばれる)の教科書ではこのふたつが誤って書かれていて、このためにMMTの正しい理解にたどり着けない方が多々でてくるというわけです。(図表1) 図表1 主流派経済学と現実 1.現実の貨幣・信用創造の仕組み 主流派経済学の教科書では貨幣について次のように説明されています。*1 貨幣は、その物自体に価値がなくても貨幣としての機能を果たすと認識されれば貨幣となる。 1ドル紙幣はジョ

    MMT(現代貨幣理論)を知るために必要なたったふたつのこと - シェイブテイル日記2
    ookitasaburou
    ookitasaburou 2019/03/30
    “そこで今回はMMTを知るために必要なことをお伝えしたいと思います。 それは現実の貨幣・信用創造の仕組みと、貨幣市場の枠組みの2点、これだけです。”
  • 日本は世界一GDPシェアが減少しているがそれは人口減少とは無関係 - シェイブテイル日記2

    蓮舫氏が辞めた後の民進党代表選挙に枝野氏と前原氏が立候補していますが、その枝野氏の打ち出す経済政策の背景には「人口減少など社会成熟化による需要そのものの減少」があるそうです。 *1 確かに日は2008年をピークに人口減少に転じました。 ただ、世界を見渡せば、ロシアやポーランドなど他にも人口減少国はあります。 そこで日やこれらの人口減少国を含めて世界経済での各国シェアの変動を調べてみました。 図1は1996年時点での名目GDP(ドルベース)の各国シェアとそれから20年後の2016年の名目GDP各国シェアの比をとったものです。 図1 名目GDP世界シェア増減率 元データ出所:IMF WEO April 2017 世界シェアの変動費率は、例えば日の1996年の名目GDP世界シェアが15.2%で、2016年のそれは6.6%なので、 6.6÷15.2=43.4(%)を日の世界シェア増減率とし

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  • すべては銀行の信用創造行動から始まる - シェイブテイル日記2

    皆さんは、おカネはどこで生まれるかを考えたことはおありでしょうか? 通貨の供給ルートとして、しばしば「信用創造」として、銀行に預けられたおカネが引き出しに備えた準備預金を除き、再び別の銀行に貸し出されるモデルが紹介されることがありますね。 しかし、あの教科書に載っているモデルは間違いなんです。 おカネはどのようにしてうまれるか。 これについて、日は、Twitterでのやりとりの延長で、横山昭雄氏の「真説 経済・金融の仕組み」を一部抜粋してご紹介します。 横山昭雄 「真説 経済・金融の仕組み」 p80-p84より 第3節 真の通貨供給メカニズム−モデルI ■すべては銀行の信用創造行動から始まる いま歴史のコマを早回しして、現金・キャッシュが全く不必要なまでに信用化の進んだ金融・経済機構を想定してみよう。そこでは一切の取引・決済が預金通貨の振替、手形・小切手の授受を通してなされるため、銀行券

    すべては銀行の信用創造行動から始まる - シェイブテイル日記2
  • 英国の経済格差は日本よりどれだけ酷いか調べてみた - シェイブテイル日記2

    先週末のイギリスのEU離脱決定は今も世界経済に影を落としたままです。 イギリスでは、エリート社会と低所得者社会がもともと分断されているところに、この投票結果はさらに分断を強める結果になるだろうと報じられています。 そうすると、近年移民流入が続く英国の格差社会はかつての格差を超えて、さぞ酷いことになっているのだろうと思い、ピケティの所得データベースを使って実際のところを調べてみました。(図表1) 英国の所得下位者の所得は伸びているし、格差拡大もしていない 日の所得下位者の所得は著しく減り、格差は英国以上に拡大 図表1 英国・日の所得上位10%と下位90%の所得推移 出所:The World Top Incomes Database Thomas Piketty他 それぞれの所得水準は、2010年通貨で実質化されている。 英国の所得格差は5.5倍程度で変化がないが、日の所得格差は 4.4

    英国の経済格差は日本よりどれだけ酷いか調べてみた - シェイブテイル日記2
  • 貨幣と財政からみた経済学派分類 - シェイブテイル日記2

    安倍首相は昨晩(5月28日)、現在はリーマン・ショック級の経済危機という認識から、10%への消費税増税を2019年10月まで2年半先送りする方針を麻生副総理らに伝えたとのことです。 会合後の報道ではその方針に異論も出たとのことで最終的な落とし所はまだわかりません。 ただ、コンセンサスが得られてきたことは、どうやら金融政策中心のアベノミクスでは限界があり、デフレ脱却・景気好転のためには財政出動も必要だろうということです。 このブログを読んでいただいている方々からみれば、なるべくしてなった結果ということかも知れません。 それにしても、デフレ脱却・景気好転を願う目的は同じでもこれほどのアプローチに対する選好がことなるのでしょう。 今日はこの点を改めて考えてみたいと思います。 下の図は、貨幣(細かく言えば民間を巡るマネーストック)の生まれ方に対する認識(横軸)と財政政策の役割に対する認識(縦軸)の

    貨幣と財政からみた経済学派分類 - シェイブテイル日記2
  • 家計最終消費支出には消費税の影響は出ないのか - シェイブテイル日記2

    先日このブログで、「消費税を上げるたびに、家計の実質的な生活水準を示す消費水準指数が下方に屈曲してきた」という主旨のことを書きました。 これに対する反論のブログがありましたので、これについて書いてみたいと思います。 まず、シェイブテイルの意見がこちらです。 これまでの消費税0%、3%、5%、8%のトレンドと同じことが起きれば、消費税10%では実質的な生活水準は毎年3%ずつ下がっていくだろう、というのが結論でした。 一方、反論のブログはこちら。 曰く、 GDP統計の家計最終消費支出は増えている。1994年から2015年までは人口は最大で2.25%しか変わっていないので、家計最終消費支出を人口で割った数字で見ても、増加傾向は変わらない。しかし、消費水準指数は低下している。一人あたりの消費が増えているのに、世帯規模を調整した家計消費は減っている事になっている。二つの指標の傾向が合致しない。 つい

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  • IMF 異次元緩和の限界を示唆 - シェイブテイル日記2

    今日の日経夕刊には、IMF研究者の見解として、日銀の異次元緩和が2017、18年にも限界が訪れるという予測が載っています。 日銀の異次元緩和に対する問題点が指摘され始めた。 国際通貨基金(IMF)は3日発表した個人名義の論文で異次元緩和の技術的な限界を指摘。「現状の国債買い入れは2017〜18年に限界が来る」との見方を示した。日銀による大量の国債買い入れによって市場のゆがみが増し、日銀内でも異次元緩和の副作用を巡って不協和音が生じている。異次元緩和の導入から2年余り。金融政策運営の先行きにも不透明感が漂いつつある。 IMFの論文は緩和効果の1つである「ポートフォリオ・リバランス効果」に焦点を絞り、投資家の資産構成の変化を通して異次元緩和を分析している。銀行の担保需要や保険会社のALM(資産・負債の総合管理)上の制約、年金基金の資産構成などを考えると、17〜18年には日銀が国債の購入額を減ら

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  • 経済学者にとって不都合な日本経済の真実 - シェイブテイル日記2

    殆ど全ての学問なら、余程の激変が直後にない限り、専門領域での10数年後の姿が皆目わからないということはないでしょう。 天文学なら皆既日は秒単位でも正確に予測できますし、心理学などの社会科学でも10年後の人々の心理が予想もつかないなどということはありません。 ところが、経済学ではそうでもないようです。 もう一昔前になりますが、2003年に8人の経済学者らが、近い将来日経済は破綻するとして提言を行いました。 提言を行ったのは東大の伊藤隆敏氏、吉川洋氏らそうそうたるメンバーでした。*1 (元の提言は、こちらですが、既にリンク切れとなっていまして、引用はここからです。) 景気の低迷と特別減税のもたらした税収不足、さらに景気刺激のための度重なる 補正予算の発動により、政府部門の債務・GDP比率はすでに140%に達している。 毎年7%の赤字を出し続ければ、あと8年以内に債務・GDP比率は200%に

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  • NHKスペシャル「#老後危機」で語られなかった問題 - シェイブテイル日記2

    昨夜のNHKスペシャルでは「私たちのこれから #老後危機 あなたの備えは大丈夫?」と題して、年々厳しくなる年金問題が取り上げられていました。 これまでは余裕があるとされてきた年金受給世代でも、ここ数年は年金削減、税負担増、低所得の子ども世代への扶養などの要因から、美容院・ゴルフ・海外旅行といった贅沢をする余裕がなくなり、年金支給日には年金生活者たちが特売場に群がる様子が映されていました。 また、以前は支払った額の数倍が年金で戻ってくることが常識だったのに、現在では65歳で支払いに対して給付がわずかにプラス、60歳以下の現役世代では若年層になればなるほど、支払いが給付を上回るという予想も示されています。 ■年金問題悪化の原因 番組では、こうなってしまった原因のひとつとして、平均寿命が1965年の男68歳、女73歳から、2014年には男80歳、女87歳と大幅に長寿化したことが挙げられていました

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  • 今更ながら「信用創造のナゾ」 - シェイブテイル日記2

    社会人なら誰でも知っていそうな信用創造とよばれる銀行の機能。 これにふたつの全く異なる説明があることはご存知でしょうか。 例えば、日のウィキペディアでは…。 銀行は預金を受け入れ、その資金を誰かに貸し出す。その過程で信用創造は発生する。以下は、そのプロセスの例である。 1.A銀行は、X社から預金1000円を預かる。 2.A銀行は、1000円のうち900円をY社に貸し出す。 3.Y社は、Z社に対して、900円の支払いをする。 4.Z社は、900円をB銀行に預ける。 この結果、預金の総額は1900円となる。もともと1000円しかなかった貨幣が1900円になったのは、上記2.の結果として、Y社が900円の債務を負い返済を約束することで900円分の信用貨幣が発生したことになるからである。この900円の信用貨幣(預金)は返済によって消滅するまでは通貨(支払手段)としても機能する。このことはマネーサ

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  • リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。 - シェイブテイル日記2

    リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。 増税を平気で口にする御大浜田先生に驚き呆れ、リフレ派を離脱してはいますが、当然今も、デフレ脱却は現在の日に必須という部分を共有している私シェイブテイルは元気にしております。 「インフレターゲット下金融緩和さえすれば、デフレは脱却できる」 黒田総裁自身はご自身をリフレ派とは規定していないようですが、黒田総裁が、正にこの主張を2年間という期限までつけてCPI2%を達成を高らかに宣言されて、2年以上が経ちました。 近い将来の物価水準はゼロもしくはマイナス圏突入との見方も市場では増えているようです。 総務省が29日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は値動きの激しい生鮮品を除く総合指数が103.3と、前年同月比で0.3%上昇した。上昇は1年11カ月連続となる。ただ14年4月の消費増税による要因を除くと2カ月ぶりに横ばいとなり

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  • 日本ではピケティでr>gより大事なこと - シェイブテイル日記

    ピケティのの話題は多少下火になってきましたが、ピケティが編者となって今も構築が続いている世界各国の所得の詳細がわかるデータベース、The World Top Incomes Database があることをご存知でしょうか。 そのデータベースから、世界主要国での上位10%、下位90%の所得の変化をみるといくつも興味深い知見を得ることができます。 まず私達の多くが属する下位90%(つまり普通の成人)の2009年時点の所得を、1995年=100とした実質水準で比較してみました。(図表1) 図表1 各国下位90%の所得水準変化 出所:The World Top Incomes Databaseに収録されている 2009年時点での実質所得金額を、1995年=100として筆者が指数化したもの。 図表1からわかることを列挙してみますと、比較可能な14カ国の下位90%の所得については、 ・所得が大きく増

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  • 他国と異なる日本のドーマー定理 - シェイブテイル日記2

    不思議な話なのですが、畑農鋭矢教授(明治大学・商学部)のリサーチによれば、日の財政問題で頻出するドーマー定理(ドーマー条件)は、1940年代にE.D.Domarが提唱した説とは似ても似つかないものに入れ替わっているということです。 事実であればまったくミステリー小説顔負けの話ですが、畑農氏のブログを元にことの成り行きを書いてみます。 現在ではドーマー条件とは次のように説明されています。 1940年代に経済学者のE・D・ドーマーによって提唱された定理。名目GDP成長率が名目公債利子率を上回れば財政赤字は維持可能であるという内容の定理である。 (注:こちらをDCと略記する) ウィキペディア「財政再建>ドーマー条件」 ところがもともとドーマーが述べたドーマー定理とは次のようなものでした。 毎年の国債発行がGDPの一定割合に留まるならば、国債残高の対GDP比は一定の値に収束し財政破綻は生じない。

    他国と異なる日本のドーマー定理 - シェイブテイル日記2
    ookitasaburou
    ookitasaburou 2015/02/28
    畑農氏のブログを元にことの成り行きを書いてみます。
  • デフレの正体は借金不足 - シェイブテイル日記2

    ■デフレの正体は借金不足 突然こういっても何のことだかさっぱり解らないかもしれません。 しかし次の図1を見ていただければその意味がわかっていただけるのではないでしょうか。 企業が債務を持てばインフレに、債務を返済すればデフレに 図1 企業の資金過不足と物価(1980-2013) 出所:企業資金過不足(フロー)=日銀資金循環統計 物価(GDPデフレーター)=IMF WEO Oct 2014 企業の資金過不足と物価の相関係数が大きい(R^2=0.76) だけでなく、近似線はほぼ原点を通っている。 以前このブログに書きましたように、全てのマネーは債務と一体となって生まれます。 日の家計はほぼいつでも貯蓄をしていますから、マネーの元である債務はその他の主体(企業、政府、海外)が担うことになります。 このうち企業は、投資に適したマイルドインフレならば、健全に債務を持つことができ、1990年半ばまで

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  • 全てのマネーは債務 - シェイブテイル日記 コメント欄 ”端的に言えば、PB黒字化したら民間で黒字が減ってデフレが促進されるということですね。

    近年は政府債務の多さが盛んに報じられています。 ただ、「全てのマネーは債務である」という事実はまだ大多数の人々が知らないため、誤った議論が横行しているように思います。 全てのマネーは債務である 最初に大きく書きましたが、大多数の方が「そんなわけないだろ?」とお思いでしょう。*1 もしサラリーマンA氏がamazonから書籍をカード購入した場合、クレジットカード払いになりますが、これは少し考えればわかるように、知らず知らずのうちにA氏は債務者、amazonが債権者ということになります。 現金自身は取引に使われず、書籍(財)とは反対向きに同額の債務が流れていきます。 そして、口座引き落とし時点でこの債務は解消されます。 もう少し詳しく言えば、この取引には銀行が介在していて、銀行に対する債権者が預金していたA氏からamazonに移り、口座引き落とし段階で債務・債権が相殺されています。 銀行はあなた

    全てのマネーは債務 - シェイブテイル日記 コメント欄 ”端的に言えば、PB黒字化したら民間で黒字が減ってデフレが促進されるということですね。
  • スイス経済の何が問題だったか - シェイブテイル日記2

    今週もスイスフランショックがリスク要因として意識されそうです。 健全性だけが目立っていたスイス経済で何が起こっていたかを考えていくと、スイスの中央銀行に当たるスイス国立銀行(SNB)の資産内容と、スイス政府の財政健全化政策に問題の源泉があったように思えます。(→中銀バランスシートについては後で詳述します) 今日もスイスフランショックについて考察しますが、まずその前にスイスのマクロ経済状況を日と比較してみましょう。 ■経常収支(図表1) スイスは日を大きく凌ぐ輸出国です。 2013年の経常収支は対GDP比で16%に達しています。 図表1 スイスの経常収支(対GDP比) 出所:IMF WEO Oct 2014 ■財政収支(図表2) 財政面では近年のスイスはプライマリーバランス均衡を達成しています。 バブル崩壊と消費税デフレでプライマリーバランス赤字が拡大する趨勢にある日からすれば羨ましい

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  • スイス国立銀行の挫折と日本のデフレ - シェイブテイル日記2

    今夕、スイス国立銀行(中央銀行)がこれまで続けてきた事実上のスイスフランのユーロペッグを止めると発表したことから対円でも一時50%ほどのスイスフラン高となり、今もその余震は続いています。 このニュースはそれ自身、今後の成り行きが注目されます。 ただ、日のデフレ脱却を願う私たちからみると、スイス国立銀行のここ数年の行動とその結果は、日でも他山の石とすべきと考えられます。 スイス国立銀行のジョルダン総裁は15日、フラン上限は持続可能ではなかったとし、今回の上限撤廃をめぐる決定はパニック的な反応ではなかったとの認識を示した。 記者団に語った。総裁は「持続不能で、断続的な市場介入でのみ実行可能な政策を続けるのは理にかなわないと判断した」と説明した。 フラン上限、持続可能でなかった=スイス中銀総裁  ロイター 2015年 01月 15日 22:14 JST スイスフランはユーロ危機の影響もあり、

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  • スイス国立銀行総裁の不思議な翻意 - シェイブテイル日記2

    今日時点でも、スイスフランショックは続いています。 スイスが自国通貨スイスフランを事実上ユーロにペッグするのを止めた理由としては、近いうちに欧州中央銀行(ECB)が金融緩和に踏み切り、一段とユーロ安になると予想されたためという報道があります。 ユーロ安が拡大すれば、ユーロを中心に保有する外貨準備が毀損し、スイスの中央銀行に当たるスイス国立銀行の資が毀損するとの判断から、為替市場での無制限のスイスフラン売り介入を断念したのかもしれません。 しかし、もたらされた結果は、対ユーロで3割ものスイスフラン増価。結果からみれば、外貨準備の毀損に拍車をかけただけとなり、スイスに社を置く、ネスレ、ロシュ・ノバルティス(共に製薬会社)、オメガ・ロレックス(共に時計製造メーカー)などでは輸出が一挙に不利になりました。 スイス国立銀行はどう行動すべきだったのでしょうか。 実はその答えはスイス国立銀行総裁自身

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  • 日・中・ギリシャの財政健全性指標 - シェイブテイル日記2

    昨日書いた記事 安倍首相が犯しつつある大きな誤ち - シェイブテイル日記  では、特に図表1で示した政府債務と名目GDPの関係に興味を持っていただいた読者の方が少なくなかったようですので、同じ分析を日中国・ギリシャでやってみました。 緊縮指向の日・ギリシャ、成長指向の中国 図表1 名目GDPと政府債務の経時変化 出所:IMF WEO Oct.2014 名目GDP・政府債務ともに各国の2001年名目GDP=100として正規化している。 このグラフでは原点と曲線上のある時点とを結んだ線の傾きが、政府債務健全性指標の 「政府債務対名目GDP比率」になっており、その値(%)は国名の下のカッコ内に示した。 これらの国ではリーマン・ショックと欧州危機後の対応に大きな違いがあります。 日ではリーマン・ショック時の2008年時の与謝野馨経財相が「ハチに刺された程度」と称してとりたてて何もしませんで

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