長雨などの影響で農産物の価格が高騰する中、天候に左右されない植物工場産の野菜に注目が集まっている。安定供給が見込めることから引き合いが急増し、工場を運営する京都の企業はフル稼働で対応に追われる。環境負荷が小さいという特徴もあり、引き続き市場規模は拡大する見通しだ。 「新型コロナウイルス禍でテークアウトを始めた飲食店からも引き合いがあり、問い合わせは例年の2倍に増えた」。レタス生産工場を運営するスプレッド(京都市下京区)の稲田信二社長は手応えを語る。取引先となる小売店や飲食店からは「仕入れ可能な量や、価格の見通しが立てやすい」と、工場産ならではの安定性を評価する声が届いているという。 国内に2カ所ある同社の工場では昨年12月からフル稼働での生産が続いており、需要のさらなる増加を見据え、工場増設も検討する。稲田社長は「植物工場は農薬の使用を抑えられ、環境負荷も小さい。社会課題の解決とも連動して