園遊会で天皇陛下に手紙を渡した山本太郎参院議員(無所属)に対し、参院議長が厳重注意した。今後、山本氏の皇室行事への出席を認めないという。 7月の参院選で脱原発を掲げて初当選した山本氏は、自分の行動を「個人として陛下に子どもたちの健康被害や被曝(ひばく)労働者の切り捨ての実情を伝えたかっただけだ」と説明した。 しかし、山本氏が自説を訴えるべき場所は国会であり、説得すべき相手は国会議員である。憲法上「国政に関する権能を有しない」天皇に何かを伝えることが仕事ではない。議員の本分をわきまえない非常識なふるまいだったというほかない。 すぐさま国会では与野党双方から「天皇の政治利用だ」という批判がおきた。議員辞職を求める声さえ上がった。 ただ、「政治利用」ということでいえば、自民党にも民主党にも、時の権力が組織的に利用しようとしたと疑われかねない例がある。 民主党の鳩山政権は09年12月、宮内庁の反対