科学技術振興機構(JST)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが、「ホウ素の溶融状態は金属ではないことが判明した」との研究成果を発表した(JAXAのプレスリリース、ASCII.jp)。 ホウ素は金属元素と非金属元素の中間の性質を示す半金属であることが知られている。ホウ素の化合物はさまざまな分野で利用されているが、ホウ素の融点は2077℃と非常に高いため、ホウ素を溶かして融体とすることは難しく、融体の性質については理論的には金属であると予想されていたものの、実際に検証されてはいなかったという。 今回研究チームは、静電気を用いて材料を浮遊保持する静電浮遊法という手法をつかってホウ素を浮遊させた状態で溶融させ、大型放射光施設SPring-8でコンプトン散乱測定法という手法でホウ素融体中の電子の挙動を観測したという。その結果、ホウ素融体中の電子の大半は原子間に拘束されており、金属と言うよりも半導