『市民で埋め尽くされた国会前の車道』。空撮映像は安保反対の人々が圧倒的多数であることを示す証拠として国内外の世論を揺さぶった。 これがアベシンゾーの逆鱗に触れたのだろう。意を汲んだ警察庁出身の杉田和博官房副長官が、警視庁に規制の徹底を指示した。 苛烈を極めたのが16日の夜だった。「そいつを捕まえろ」。警察は次から次へと参加者を逮捕していった。わずか数時間で計13人が身柄を拘束されたのだ。 都心の所轄署に分散留置されていた13人は、きょう午後までに全員釈放された。 釈放されること自体は喜ばしいことだが、警察は起訴できない人を13人も逮捕したのである。 見込みで逮捕するのだから恐ろしい。13人すべての逮捕容疑が公務執行妨害というのが、いかにも だ。 田中は当時のもようを機動隊のすぐそばで見ていた。警察に突き飛ばされたりしながらも一部始終をカメラに収めた。 警察はデモ参加者を機動隊のうずの中に引