コーネル・ムンドルッツォ監督(画像右)。「人間の残酷さに対する、少女リリの純真さとハーゲンの知恵とを対照的に描きたかった」と語る。コーネル監督「2、3年前にハンガリーの保守的な政党から、ピュアなハンガリーの犬種でない犬たちには重い税金を課そうという法案が持ち上がったことがあった。この法案は可決されなかったものの、『ホワイト・ゴッド』はまったくの空想というわけではないんだ。映画の中で描かれた犬たちは、権力者である政府から弾圧される者たちすべてのシンボルでもあるんだ。J・M・クッツェー(南アフリカの作家で差別、偏見、虐待などをモチーフにした小説で知られる)の本も参考にしている。観る人によっては第二次世界大戦時の強制収容所を連想するかもしれないが、ハンガリーやドイツなどのヨーロッパの国々だけに限らず、社会的マイノリティーへの弾圧や排斥はどこの社会やいつの時代でも起きているんじゃないかな。さらにい