ロバと一緒に、アフガニスタンのワハーン回廊の最後の行程を進む筆者のポール・サロペック。ロバと一緒に、アフガニスタンのワハーン回廊の最後の行程を進む筆者のポール・サロペック。PHOTOGRAPH BY MATTHIEU PALEY 外国人の女性が自動車の屋根の上で踊っていた。そこは中央アジア、パミール高原の南端に当たり、アヘンの密輸業者が暗躍する土地として悪名高い。女性の車にはEUのナンバープレートが付いていた。何者なのだろう。ヒッピーの聖地を訪れる巡礼者だろうか? 私は汗でぬれた帽子を脱いで、彼女にあいさつをし、疲れ切ったロバをせき立てながら、その場を後にした。中央アジアの険しい高山地帯を1カ月以上も野宿で移動してきたため、私の皮膚はひび割れ、腹がすいていた。 私は徒歩で世界を歩いている。石器時代に地球の隅々まで拡散した人類の足跡をたどるプロジェクト「アウト・オブ・エデン・ウォーク」で、5
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