『ゼロリスク社会の罠』(佐藤健太郎著・光文社新書)より。 【怪しい話かどうか見分けるポイントとして、「分母が示されているかどうか」ということがあります。 多くのケースでは、「××によって20件の事故が起きた」というだけの報道がなされますが、これが50件中20件の事故であるのか、1000万件中20件であるのかで話は全く変わってきます。 数百メートルの上空から落ちてきた一滴の水が、ある人の頭に当たるリスクは限りなくゼロに近いといえます。 しかしひとたび雨が降ってくれば、我々はあっという間にびしょ濡れになります。ひとつの雨粒が当たる確率はほぼゼロでも、雨粒の数はとてつもなく多いからです。分母(雨粒の数)がとてつもなく大きくなれば、分子(頭に当たる数)もそれにつれて大きくなるのが当然でしょう。 昔、超能力ブームのころに、こんな番組がありました。超能力者を名乗る人物が、テレビカメラの前で、「今からあ