彼が1つ質問すると、バロンは自分も同じ懸念を抱いており、既に手を打っていると答えた。すると、ケレハーは「結構だ。進めてくれ」と言った。この会話に要した時間はわずか4分ほどだった。 世界は急速に変化している。大が小を倒す時代は終わった。速いものが遅いものを制すのだ。 ――ルパート・マードック(ニュース・コーポレーション会長兼CEO) 伝説的経営者、サウスウエスト航空の会長であり、かつてCEOだったハーブ・ケレハーの例を見てみよう。ロバート・K・クーパーとアイマン・サワフの著書、『ビジネスマンEQ ― あらゆる目標達成のために』で紹介しているエピソードは注目に値する。サウスウエスト航空のメンテナンス業務(7億ドル相当)を一手に引き受ける会社で当時、業務執行副社長をしていたゲーリー・バロンが、ある日社内の廊下を歩きながら、大々的な組織再編案をまとめた3ページの提言書をケレハーに提出した。ケレハー
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