金融緩和や財政支出を続けると、戦前のようなハイパーインフレになり国債が暴落するというストーリーは、マーケット関係者の間でも意外に根強く浸透している。だからこそ、今のうちに消費税を増税して財政再建への道筋をつなげないといけないというロジックにも用いられているようだ。 デフレという物価上昇率がマイナスの世界からいきなりハイパーインフレが出てくるのかまったくわからない。ためしに、ハイパーインフレを唱える人にハイパーインフレとはどのような状態かを聞いたことがあるが、明確に答えられなかった。本人ですらわからない話なので私が聞いてもわからないのは当然だろう。 ハイパーインフレとは、いろいろな定義があるが、経済学者ケーガンの月率50%、年率13000%以上の物価上昇というのが有名だ。もちろん、この定義によるハイパーインフレは滅多に起きないので、国際会計基準では3年間で累積インフレ率が100%(年率3