『ノストイ』(帰国物語、帰国譚、ギリシャ語: Νόστοι (Nóstoi), ラテン語:Nosti, 英語:Returns)は、古代ギリシアの叙事詩で、トロイア戦争を描いた叙事詩環の1つ。話の年代順にいうと『イーリオスの陥落』の直後の話になる。作者は不明だが、古代の著作家たちはトロイゼーンのアギアス、ホメーロス、エウメロスなどさまざまな名前を挙げていた。全部で5巻から成り、ダクテュロス・ヘクサメトロス(長短短六歩格)で書かれている。しかし、わずかに断片が残っているだけである。 題名の「ノストイ」は「帰郷」を意味するギリシャ語「ノストス(νόστος)」の複数形である。 創作年代[編集] 『ノストイ』は紀元前7世紀か紀元前6世紀に作られたと言われるが、確かではない。 テキスト[編集] 『ノストイ』のオリジナルのテキストは5行半だけが残っているだけである。内容については、プロクロスの『Chr