話題になっている任天堂対コロプラの特許侵害訴訟、裁判資料に閲覧制限がかかっていたため、どの特許が問題になっているのか明らかではありませんでしたが、ようやく閲覧制限が解除されたようで、WSJ紙の望月記者が裁判記録を閲覧してツイッターで報告されています(多謝)。 ということで、以下、簡単に内容を説明していきます。 3734820号については、以前に私が書いた記事の勝手予想が当たっていました。内容については当該記事をご参照ください。以下、残りの4件(のうちの2件)について簡単に解説します(公報に直リンが張れるようになったのは助かりますね)。主要クレームのみ見ていきます。 特許4262217号 「ゲームプログラム及びゲーム装置」 【請求項1】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に
日本テレビのみなさまへ、生活保護についての悪意のある番組放送はやめてください12月22日の19時~20時54分に、日本テレビ系列で『「ずるい奴らを許すな!」目撃!Gメン 徹底追及スペシャル(3)』が放送されました。 放送をみましたが、番組のなかでは生活保護の不正受給を取り上げ、不正受給をしたと思われる生活保護利用者を「ずるい奴」として、それを摘発する行政の職員をGメンとして描いていました。 番組で紹介された「不正受給」に対してのデータや、取材方法等について、ちょっと度を超えているのではないかと思いましたので、以下に書きます。 番組で紹介された2件の事例番組では、愛媛県松山市と埼玉県加須市での事例が紹介されていました。 松山市の事例は、取材をしたのは昨年10月。病気で働けないという一人暮らしの30代の女性。匿名の通報で調査を開始し、風俗の仕事をしているという疑いが。 家の前で数日にわたり取材
放送法の規定を合憲とし、NHKを見ているか否かに関わりなく、NHKとの裁判で敗訴判決が確定すれば、テレビの設置日以降の受信料を全て支払わなければならないという最高裁判決。 「最高どころか最低だな」と憤りを覚え、「次の国民審査では判決に関与した15名の裁判官全員に『×』を付けてやる」と心に決めた人も多いだろう。しかし、国民審査には制度的な欠陥があり、その思いはかなわない。今回はこの問題を取り上げ、改善策などを示したい。 【国民審査のタイミング】 最高裁の裁判官は、憲法の規定に基づき、任命後初めて行われる衆院選の際に国民審査を受け、それから10年経過後に初めて行われる衆院選の際に再審査を受けるとされている。 これを前提とすると、就任直後に衆院選が行われれば、最高裁の裁判官として実績や判断材料が乏しいにもかかわらず、国民審査を受けるということになる。 1986年には就任からわずか24日で国民審査
この一件の幕引きは“前例”となる 5月24日、「人工知能学会全国大会」において発表された、立命館大学情報理工学部に所属する3人の研究者の論文が、議論を呼んでいる。なぜならその論文が、自作イラストやマンガを中心とするSNS・pixiv(ピクシブ)に投稿された一般ユーザーの小説10作を分析材料として扱っていたからだ。これが多くのユーザーの反発を買い、現在はその論文PDFが非公開となっている。 「ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻な表現のフィルタリング」と題されたこの論文は、「猥褻表現」(論文中では「有害情報」とも表記されている)のフィルタリングを目的とした研究だ。 一方、この論文で研究対象とされたのは、性表現が多く含まれ、当初から作者が「R-18」(18歳未満閲覧禁止)にカテゴリーしていた小説だった(同時に、その多くは「二次創作」だ)。pixivでは閲覧制限の設定があり、デフォルト
大手出版社の屋台骨を支えていると言われるコミックだが、デジタル化を含めて激変の波に襲われている。その全体像は発売中の月刊『創』5・6月号に総特集が掲載されているのでご覧いただきたいが、ここで名実ともにマンガ界のトップを走る『週刊少年ジャンプ』が直面した危機と、それを集英社がどう乗り切ろうとしているか報告しよう。 同誌が直面した危機とは、この1~2年、人気連載が次々と終了していったことだ。人気連載終了はもちろん本誌の部数にも影響し、『週刊少年ジャンプ』の部数は1年前の250万部から200万部に落ち込んだと言われる。しかし、それ以上に深刻なのは、連載終了した作品をまとめた単行本、いわゆるコミックスの新刊が出なくなることだ。初版360万部を誇る『ONE PIECE』のコミックスが年に何巻出るかで集英社の決算の数字が変わるというほど、大型作品の経営寄与率は高いのだが、『ONE PIECE』は安泰だ
映画「シン・ゴジラ」と血液凝固剤映画「シン・ゴジラ」は傑作でした。現実に寄り添いすぎた映画なので、冷静な論評は待たねばならないかもしれません。ただ多くの人々が、この映画に魅せられ、多くを語っています。 ところで、私はサプライチェーン・調達・購買といった領域に従業しています。この映画「シン・ゴジラ」では、血液凝固剤が重要な役割を果たします。ご覧になっていない方もこの文章を読んでいるでしょうから、曖昧になっているのはご容赦ください。 ゴジラが上陸、そして、再上陸するのですが、この血液凝固剤をきわめて短い期間で増産せねばなりません。その量は672キロ。官僚、ならびに政治家が全力を尽くし、この血液凝固剤確保に奔走します。数週間しか猶予がありません。 映画がどうなるかは見てください。ここで、製薬会社のサプライチェーン、調達関係者にヒアリングを行い、新薬をたった数週間で生産・納品できるかを訊いてみまし
京都の龍谷大学に留学したベトナム・ハノイ市郊外出身のグエン・ヒュー・クイーさん(27)。 もともと技能実習生として日本で働いていたクイ―さんは、自らの能実習生としての経験から得た問題意識をもとに、日本の「外国人技能実習制度」について調査し、卒業論文を書いた。 「技能実習生を調査することは自分の使命」とするクイーさん。彼はなぜ、そうした強い思いを持ち、技能実習生を調査するに至ったのだろうか。 この連載の1回目ではクイーさんの来日の背景を、2回目ではベトナムにおける「実習生ビジネス」について、そして3回目では技能実習生の「技能習得」をめぐる実態と低賃金などの搾取的な労働の在り方を報告した。4回目では日本の受け入れ企業と技能実習生との関係から技能実習制度について考察し、5回目ではクイーさんが龍谷大学の卒業論文に向け、技能実習生を調査する中で直面した課題について伝えた。 今回の連載の最後となる6回
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