東京都下水道局が「内規に違反している」との理由で制服のワッペンを3200万円かけて作り直した件で、石原慎太郎知事が立腹されている様子があちこちで伝えられている。 一例を挙げるなら、 「バカじゃねえか。役人の悪い意味での律儀さは世間では通じない。」 「(当初のデザインについて)私はこっちの方がよっぽどいいと思う」 (日本経済新聞2009年4月11日付朝刊・第39面) といった具合である。 もっとも、長年ブランド管理に携わっている筆者にしてみれば、今回の事例が「お役人の無駄遣い事例」として片付けられることには複雑な思いもある。 問題となったワッペンは、「東京都下水道局」という組織の名称をそのまま記したもの。普通の会社でいえば、まさに「コーポレートマーク」というべき、もっとも重要なロゴである。 そして、ここで気をつけなければいけないのは、一部の部課長や担当者が独断であらかじめ定められたロゴ使用ル