冒頭のオーボエ・ソロの旋律がひたすら増殖して全オーケストラに広がってゆく…というワンアイデアの作品なのだが、同じ発想の「ボレロ」と違って、こちらは完全に東洋的な世界。数百数千の仏像の群がびっしり世界を埋め尽くすような圧倒的なイメージを持った曲で、この曲を一聴して以来この作曲技法に10年ほど「取り憑かれ」てしまった。(高校の頃、気付くといつもこの旋律を口笛で吹いていて、同級生に「気持ち悪いから!」と何度も指摘されたほど。確かにボレロの旋律より不気味ではある・(=_=)・)。19歳の時に松村さんの処に無理やり伺ったのも「こんな曲を書くのはどんな人なのか?」と知りたかったことが大きい。 もともと松村さんは京都の呉服屋の生まれで、父親がかなり熱心な仏教徒だったという。だから、この曲が「ボレロ」を意識しつつ「曼荼羅」を思わせる処があるのもあながち的外れではないようで、実際、後半に般若心経を歌う千人の
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