2014年02月26日19:16 カテゴリ本 「消えゆく手」とカリスマ的支配 独裁と民主制のトレードオフは、企業理論にも当てはまる。20世紀前半までは資本主義が組織化され、チャンドラーのいうように「見えざる手」から「見える手」に移行する時代だった。そのまま企業は果てしなく巨大化するかと思われたが、1980年代以降に逆転し始めた。これを著者は消えゆく手と呼ぶ。 この原因は、コース以来の取引費用理論によれば最適規模の縮小である。企業は大きくなると規模の経済は大きくなるが、官僚制の「合理的支配」によってイノベーションが困難になる。これに対して、ウェーバーのいうカリスマ的支配で独裁にすれば「革命」が可能になる。取引費用が小さくなると、コア事業以外をアウトソースする水平分業が可能になる。こういう個人資本主義は、一見18世紀の初期資本主義に似ているが、実態は逆である。産業革命期には輸送コストが大きく、
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