「黒歴史」の初出は『∀ガンダム』!? 「大正時代に漫画が人々の娯楽として浸透したころから、漫画に出てきた言葉が一般化する例はありました。今、当たり前のように日常生活で使っている言葉も、実はマンガやアニメが発祥だったりします」 飯間浩明さんは手元のパソコンのデータベースを見ながらそう語る。2022年1月に改訂された『三省堂国語辞典』第8版には、さまざまなマンガ発の言葉が掲載されているが、古い言葉だとおよそ100年も昔に遡るという。 「最も古い例で言うと、朝日新聞やアサヒグラフで連載されていた『正チャンの冒険』(1923年~)で主人公の正ちゃんが被っていた帽子が「正ちゃん帽」と呼ばれ、一般的な名称として浸透していったんです。今のビーニーというニット帽に近くて、そのてっぺんにポンポンがついたものですね」 最近の例だと『鬼滅の刃』から生まれた「全集中」や「よもやよもや」といったフレーズが有名だが…