山口県光市の母子殺害事件で、犯行当時18歳だった大月(旧姓・福田)孝行死刑囚(31)(殺人罪などで死刑判決が確定)が、実名を記載された本の著者らを相手取り、少年法61条に違反し人格権も侵害されたとして出版差し止めと約1300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、広島地裁であった。植屋伸一裁判長(森崎英二裁判長代読)は、プライバシー権を侵害したなどとして被告側に計66万円の支払いを命じた。出版差し止め請求は棄却した。著者側は控訴する方針。 著者は増田美智子さん(31)(東京都)で、出版元は「インシデンツ」(東京都)。 これまで同死刑囚側は「出版を承諾しておらず、事前に内容を確認する約束があったのに守られなかった」と主張し、「話題作りのために、顔写真付きで実名記載した」などとプライバシー権や肖像権も侵害されたと訴えていた。 増田さん側は実名記載について、「(同死刑囚の)実像に迫るために必要