【ローマ=青木佐知子】オランダの美術館「クンストハル・ロッテルダム」で昨年10月、展示中だったピカソなどの名画7点が盗まれた事件で、AP通信は16日、盗まれた絵画がルーマニアで容疑者の母親に燃やされた可能性があると報じた。 ルーマニアの捜査当局は、盗難に関与した疑いで今年1月に同国人の容疑者3人を逮捕。捜査当局によると、主犯格とされる男性の母親が、「絵画を地中に埋めて隠した後、2月に掘り起こして自宅のストーブで燃やした」と話しているという。母親は息子から絵画を預かったが、息子の逮捕を受けて、証拠隠滅のため燃やしたとみられる。 同国の国立歴史美術館は、ストーブに残された灰を分析し、本当に絵画が燃やされたかどうかを調べているが、結果判明には数か月かかる見通しだ。 盗まれた絵画は、道化師を題材にしたピカソの「アルルカンの顔」や、モネやマティスなどの貴重な作品で、時価総額は計100億円以上とみられ