富山県の立山連峰・剱(つるぎ)岳(2999メートル)の西斜面にある巨大な氷の塊が、日本で4か所目の氷河である可能性が高いことがわかった。 氷の塊がゆっくり滑り降りていることを、立山カルデラ砂防博物館(富山県立山町)の調査チームが確認し、29日、埼玉県で開かれた日本地理学会で発表した。 氷河とみられる氷の塊は全長約200メートル、厚さ約40メートル、幅は最大で約50メートルで、「池ノ谷右俣(いけのたんみぎまた)雪渓」にある。同博物館の飯田肇学芸課長と福井幸太郎学芸員らが昨年9~10月、全地球測位システム(GPS)などを使って調査したところ、月11~15センチのペースで動いていたことが分かった。 周囲は山々が鋭く切り立った険しい場所で、福井学芸員は「雪崩が頻発し、大量の雪が流れ込んだ結果、氷河ができたのではないか」と話している。日本で現存する氷河は剱岳で2か所、立山連峰の雄山(おやま)(300