総額約343億円の国費を投じた東郷ダム(北海道富良野市)と関連事業が着手から約40年経過してもダムの漏水が直せず、いまだに貯水できないのは問題だとして、会計検査院は22日、農林水産省に計画見直しを求めた。東郷ダムは昭和47年度から北海道開発局が実施している国の灌漑(かんがい)事業の一環で、52年度にダム本体が着工した。 検査院によると、当初の総事業費は約80億円。平成5年3月に本体工事を終えてダムに水をためた際、想定を上回る漏水が見つかった。対策工事をしても収まらず、農水省は3回にわたり事業計画を変更した。14年度にできた現行計画では、用水路建設などを含む総事業費は約495億円に膨らんだ。ダム完成予定だった21年度末までに国費約343億円が既に使われたが、計画は実現していない。