全国一のカキ産地、広島県の広島湾で養殖いかだに船が衝突する事故が相次ぎ、出荷ピークを迎えた業者が悲鳴を上げている。例年はピーク時の12~1月で数件だが、今シーズンは4日現在で6件。業者は天災時に損失を補てんする「漁業共済」を活用するなどしているが、原則は当事者間の交渉。外国船が相手の場合は交渉が難航して大きな負担になっている。 全国シェアの約6割を占める広島では、沿岸や島沿いにカキいかだが1万2000台ある。航路はその間の狭い海域に設定されている。いかだに船が衝突すると、海中にカキが落下し、業者にとっては大打撃となる。 木村海産(広島市西区)は昨年12月11日夕、カンボジア船籍の貨物船にいかだ17台を壊され、年間出荷額の約3割を失った。 交渉相手の船舶保険会社はオランダの会社で日本に支店はなく、やむを得ず弁護士を通じて交渉を始めたが、経営者の木村洋三さん(63)は「外国相手だと言葉が分から